流動性マイニング(Liquidity Mining)をするにあたって、『インパーマネントロス』という損失が発生する可能性があることをご存じでしょうか?流動性提供の対価として報酬が得れると考え安易に始めようとする方がいますが、場合によっては資産が減るリスクもあります。
今回は、インパーマネントロスとはどのようなものか、また損失の計算方法について解説しますので、しっかり理解した上で流動性マイニングに挑戦してみてください!
目次
インパーマネントロスとは?
インパーマネントロスとは、市場価格の変動で生まれる①-②の差のことを表します。
①仮想通貨をペア(LPトークン)にした時の価格
②仮想通貨ペアにせず単独で持っていた場合の価格
理解ができなくても大丈夫です。普通に難しい内容ですから安心してください。イメージしやすいように少し図を使いながら細かく解説していこうと思います。
まず、本記事を読み進めていくうえで知っておかなければいけない『LPトークン』について簡単に説明します。既に知っている方は、読み飛ばしてしまって構いません。
LPトークンとは?
LP(Liquidty Provider)トークンとは、流動性を提供するためのトークンで、必ず2種類のトークンがセットになっています。表記はUSDTとBTCであれば USDT-BTC や USDT/BTC のようなことが多いです。
また、LPトークンは1:1の割合で預けることで作ることができます。
例えば、1BTC=50,000USDTだった場合、USDT-BTCのLPトークンは、USDT:BTC=50,000:1で預ける必要があります。
こうして作成したLPトークンをステーキングし、報酬を獲得することを流動性マイニングと言ったりします。
インパーマネントロスの詳細
では、本題のインパーマネントロスについての説明です。
例えば、AさんとBさんが2人いて、2人とも1 BTCと50,000 USDTを持っているとします。また、現在のレートは1 BTC=500万円、1 USDT=100円だとしましょう。(つまり合計資産が10,00,000円)
Aさんは、所有している資産全てをLPトークンに回し流動性マイニングを行います。
Bさんは、そのままガチホします。
では、ある日 BTC の価格が50%上昇し、1BTC=750万円となりました。
LPのUSDT と BTC の数量は常に1:1の割合で保持されるため、リバランスされます。その結果、Aさんの資産は0.817 BTC(6,127,451円)+61200 USDT(6,120,000円)となりました。
つまり、BTCの50%の値上がりにより、12,247,451円となり、Aさんは元金より2,247,451円利益が出ました。
一方、Bさんはガチホしていたため、1 BTC (7,500,000円)+50,000 USDT(5,000,000円)の合計で12,500,000円となり、2,500,000円の利益が出ています。
あれ、、、なぜかBさんの方が増えている、、、
差額にして2,500,000円-2,247,451円=252,549円
この差額がインパーマネントロスです。
インパーマネントロスが発生したタイミングは市場価格の変動により、LPトークンを1:1の割合にリバランスした時です。
インパーマネントロスの計算方法(計算サイトあり!)
インパーマネントロスの計算方法は非常に複雑に設計されています。
正確なインパーマネントロスの値を計算するためには下記のサイトが便利です。
⇒ dailydefi.org(インパーマネントロスの計算ツール)
基本的に、インパーマネントロスは、大まかに下記のように変動します。
1.25倍の価格変動=0.6%の損失
1.50倍の価格変動=2.0%の損失
1.75倍の価格変動=3.8%の損失
2.00倍の価格変動=5.7%の損失
3.00倍の価格変動=13.4%の損失
4.00倍の価格変動=20.0%の損失
5.00倍の価格変動=25.5%の損失
Binance Academyより引用
これらより分かるのは、価格の変動の際、上昇・下降問わず必ず損失が発生することです。
つまり、価格が上下して流動性マイニングを行った時点と同じ価格になったときにLPを解除するのが一番避けることができます。
魔界と呼ばれるAPR100%以上ある流動性プールは、この価格変動が激しいために同時にインパーマネントロスも大きくなるということも理解しておかなくてはいけません。
インパーマネントロスをうまく使う方法がある?
先ほどインパーマネントロスを最小限に抑えた方が良いとお伝えしました。
とはいえ、そもそも市場価格の振れ幅が大きい仮想通貨で損失を避けることは至難の業です。というより避けるのはほぼ無理だと思っていいでしょう。
では、ただの損失だからやらない方が良いと考える方もいるかもしれませんが、実はこの損失をうまく活用できる方法があります。
それは、価格下落時に保有したい通貨の量を増やしたい場合です。
どういうことか。。
例として、またBTC-USDTのペアについて考えていきます。(ステーブルコインのUSDTは今後価格が変動しないと仮定します。)
LPの特性上、市場価格の変動により、常に通貨は1:1に調整されることは先ほど説明しました。
リバランスにより、BTCの市場価格が上昇すれば、BTCの量⇒減少、USDTの量⇒増加になります。
反対にBTCの市場価格が下落すると、BTCの量⇒増加、USDTの量⇒減少になります。
これ言い換えると、BTCの市場下落時にUSDTでBTCを買ってると言えませんか?
そうです、ドルコスト平均法と同じような仕組みなんです。
おそらく仮想通貨投資をしてきて本記事に辿り着いてる方って、BTCを長期目線で上がると信じている方ではないでしょうか?
そういう方こそ、安い時にコツコツBTCの保有量を積み立てていきたいですよね。
まとめると、流動性マイニングの良さはインパーマネントロスを活用しながら、リスクヘッジした積立ができること、それに加えて高利率で報酬がもらうことができることです。
最後に
いかがでしたでしょうか?今回は、インパーマネントロスとはどんなものであるか、計算する方法、インパーマネントロスをうまく活用する方法について解説しました。
ただし、インパーマネントロスのリスクは市場価格の大きな変動による機会損失です。5倍価格が下がると25%損失が出るような仕組みになっています。どこまで許容できるか次第ですが、不安な方はまずステーブルコインのペア等で運用してみましょう。インパーマネントロスをほぼ0で抑えることができます。
Binanceなどの海外取引所では、USDT-USDCのステーブルコインのペアが3%前後で運用することが可能です。日本の銀行では、0.001%の利率なので3000倍はリスクほぼゼロで運用できるようになっています。
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