こんにちは、全力マイニング部部長のペリッパーです。
「マイニングと言えば、NiceHashを使ったほうがいい」そう聞いてこれから始めようとする方も多いのではないでしょうか。しかし、NiceHashにはNiceHashMinerとNiceHashQuickMiner”の2つのソフトが存在します。
今回は、当ブログの筆者が実際にNiceHashMinerとQuickMinerをそれぞれ11日間(24時間稼働)運用し、マイニング成果を測定したデータを元に、分析した結果をお伝えしていこうと思います。
なお、効果検証は24時間行っていたため、マイニングを効率的に行うための設定方法や大きく掘れたタイミングと市場の相関性など新たな気づきもあったためお伝えします。
以下の注意書きを了承した方のみ、読み進めてください。
※注1.マイニング報酬は変動するため、筆者と同じように報酬が得られることは保証いたしません。あくまで今後の参考程度にご活用ください。(※理由は本記事最後のまとめページに記載。)
※注2.測定結果を商業目的で無断転載することを禁じます。
本記事を読むと下記のようなことがクリアになるかと思います。
・NiceHashMinerとQuickMinerではどちらがマイニング効率がいいのか
・1処理当たりのマイニング報酬の差
・マイニングが報酬が上がるときの法則
・NiceHashMinerでマイニングするときのおすすめ
目次
NiceHashMiner vs QuickMiner 検証条件
まずは今回、効果検証した検証条件について簡単に紹介します。
①マイニング方法:GPUマイニングのみ。(使用GPU:RTX 2080ti 1台)
②マイニング場所:東京都心(1kWh=26.46円)
③マイニングロケーション:EU
④アルゴリズム:OctopusとDaggerHashimotoを使用(NiceHashMiner)
⑤測定条件:1日の任意の時間において、BTCレートとExcavatorの消費電力をプロット。
⑥効果検証期間:NiceHashMiner 11日間(2月21日‐3月3日)、QuickMiner 11日間(3月7日‐3月17日)
NiceHashMinerとQuickMiner マイニング報酬比較(全期間)
上記が今回効果測定した全データになります。
データ自体小さくて見えない方と思いますので、サマリで少しづつご紹介したいと思います。
マイニング効率 比較(1か月換算)
結論から言うと、『NiceHashMinerよりQuickMinerの方が純利益が高い』という結果になりました。
マイニング報酬(利益)と消費電力(支出)の二軸に分けて見ていきましょう。
マイニング報酬(利益)
今回の検証ではマイニング報酬金額はQuickMinerのほうが掘れました。
日本円換算するとNiceHashMinerとQuickMinerとでは100円弱程度しか変わらないように見えますが、実は違います。
注目しなくてはならないのは、市場取引量と1BTCの市場価格です。
ここを見ると、マイニング報酬の差が生まれるポイントやQuickMinerとNiceHashMinerの差が見えてくるのでご説明していきます。
市場取引量
図のように検証した11日間のうち9日間は、QuickMinerの方がマイニング報酬が高いというデータが取れました。
平均的にQuickMinerの方が高い報酬水準を維持していたことが分かります。
また、赤丸で囲った部分のマイニング報酬が上がったのは市場のBTCが20%下落したときと重なりました。少なくとも暴落時には取引量が増え、それに伴いマイニング報酬が上がるという仮説が立てることができそうです。
もしこの仮説が正しいのであれば、今後の価格変動が大きくなる前にマイニングを行うと効率的に稼げるというかなり重要なポイントになってくるので少し深堀ります。
上図は3月15日19時に大きくマイニング報酬が入ったデータです。
次に同時刻に市場に大きな価格変動があったか見ていきましょう。
こちらが3月15日のチャートで、図の点線部分が19時です。比較的、大きな買いが行われたことが読み取れます。
この部分の大きな処理が、マイニング報酬に反映されたようです。
他にも18時ごろなどにも、大きく変動したチャート足が見られますが、この日は朝9時から21時までに10%価格が下がった大荒れの日だったため、私が処理したものもかなり大きいものだったかと思います。
今回はこれ以上紹介しませんが、このような一撃で大きくマイニング報酬が入ることは何度もありました。
それらもマイニング報酬が跳ねている部分とチャートをを掛け合わせてみると9割近く大きな取引(売り買い問わず)が行われている時に発生したことが分かりました。
このことから、市場価格に大きな変動があったときにマイニング報酬が上がることが分かりました。
1BTCの市場価格
さて、もう一つ考慮しなくてはならない点は1BTC当たりの市場価格です。
日本円換算で収支結果を見ると、100円しか変わらないように見えますが、実はそれ以上の報酬差があります。
日本円換算すると利益が小さく見えるのは、検証期間中の平均BTCの価格差が大きいです。
検証期間中の市場のBTCの価格の平均値は以下の通りです。
QuickMinerでマイニング時⇒平均5,260,000円/1BTC
NiceHashMinerでマイニング時⇒平均6,010,000円/1BTC
このデータより、NiceHashMinerと比べ、QuickMinerでマイニングしている時の方が12.5%もBTCの市場価格が安かったと読み取れます。
1BTC=6,000,000円としてマイニング報酬を日本円換算すると、1か月で1,000円以上差が生まれる計算となりそうです。
消費電力(支出)
まずは消費電力です。
この値が高いほど電気代がかさむので極力抑えたいところです。(報酬は消費電力に関連するため、効率的に消費電を使うことが大切ですが。。)
図の通り、QuickMinerよりもNiceHashMinerのほうが30.7%消費電力が高いという結果が出ました。
この理由はNiceHashMinerのアルゴリズムの選択にあります。
今回選択したアルゴリズムは、”Octopus”と”DaggerHashimoto”の2つに設定しマイニングを行いました。
NiceHashはタイムリーに一番効率的に掘れるもの選択しマイニング行うため、OctopusとDaggerHashimotoを行き来することによって消費電力が上がってしまったものかと思われます。
つまり消費電力を抑えるためには、アルゴリズムをを1つに設定したほうがよさそうです。
このアルゴリズムの設定も報酬効率に影響するため、少し深ぼろうと思います。
選択できるアルゴリズムはいくつかあるのですが、安定して掘れるのは今回使用したOctopusとDaggerHashimotoです。
この2つではどちらがいいのか、検証してみました。
図のように、DaggerHashimotoは0.00000587BTC、Octopusは0.00000318BTCマイニングできていることが分かります。
報酬の価格差はDaggerHashimotoの方が約85%も効率がいいことが分かります。
このことから、仮説として、DaggerHashimoto1つにアルゴリズムを設定する方がいいかもしれません。
※5月24日追記:『Zcash』もアルゴリズムとして報酬集水準が高いことも報告されています。
では、消費電力が高ければダメかというとそんなことはありません。
電力を使った分、PCが取引処理の件数を上げ、マイニング報酬をしっかり確保できていればいいのです。
マイニング(仮想通貨の新規発行や取引承認に必要となる計算作業)する際の速度を表すハッシュレートを見ていきましょう。
ハッシュレート
ハッシュレートはNiceHashMinerの方がQuickMinerより52.5%高いというデータが取れました。
消費電力とハッシュレートをまとめると各サービスごとにまとめると、下記の通りになります。
消費電力:NiceHashMinerの方が30.7%高い。
ハッシュレート:NiceHashMinerの方が52.6%高い。
簡単に言うと、消費電力に対するハッシュレートはNiceHashマイナーの方が良かった。
にもかかわらず、マイニング報酬がQuickMinerの方が高かったのか。
QuickMinerの方が、1処理あたりの報酬単価が高く推移したというのが今回出た結果となります。
最後に今回の検証結果の振り返りです。
まとめ
今回の検証結果と気づきは下記の通りです。
①QuickMinerの方が1処理あたりの報酬単価が高い
②報酬単価が大きく伸びるときのは、市場価格の変動(取引量)に依存する
③NiceHashMinerでマイニングを行うのであれば、アルゴリズムをDaggerHashimotoに設定する
この3つを意識しつつマイニングを実践すると、効率的に報酬を手に入れることができそうです。
ただし、本検証は冒頭でもお伝えした通り、同時刻での検証は行っていません。
さらに精度が高い検証であれば、全く同じグラフィックボードを複数台並列に接続させ、取引量が同じ状態で検証することが望ましいです。そのためあくまで参考程度にお使いください。
基本的にはQuickMinerでマイニング報酬を獲得した方がいいのですが、対応していないグラフィックボードがあるため、『NiceHash QuickMiner の特徴は?対応ハードウェアも紹介【報酬比較あり】』の記事から確認してみるといいかもしれません。
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それでは!
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